宇宙系少年な日向と居合わせた影山のはなし。
「ヒナタ、それ」
夕陽に燃えるような髪の小柄な背丈。快活で裏表のないようなその少年はいま、見たことのない表情で---いや、いつかきっと見たことがある---手の中に青白い光を包み込んでいた。
「何、影山」
声に振り向いた顔は別段普段と変わらない。はずなのに、にい、と持ち上げた口角は、何故か恐怖を感じさせる。大きな瞳には手の中から漏れ出る光の筋が鋭角に反射して、さながら夜の魔物のような、そんな気さえした。
「お前は…ヒナタなのか」
「俺以外の誰がいるんだよ」
ヒナタはその手を開くと、いよいよ暗闇の中で目を焼くほどに膨らんだその光をすっ、と持ち上げて、それから両手で空に押し付けるように力を込めて投げた。その仕草はさながら、トスのように。
ヒナタの手から放たれた青白はやがて天蓋に吸い込まれて、もう見えなくなっていた。
「ごめん影山、今夜はまだやらなきゃいけないことがあるんだ」
いつもと変わらないはずのトーンで告げた夜の太陽は、最早誰も知り得ない姿を見せていた。